***台風対策***

2022/10/17

先月、東京で勢力の大きな台風が直撃するということがありました。
ものすごく風の強い台風だったため、台風通過後に、我が社へも屋根の修理の問い合わせが一気に増加しました。

雨漏れや屋根材、棟板金の飛散などどれも、次に雨が降った際に建物への影響が出てしまうため緊急を要する依頼が多かったのですが、一度にたくさんの問い合わせが来てしまったために職人の数が足らず、一時的にシートなどで対応する応急処置のみを施して、今現在もお客様には工事の順番待ちをして頂いている状態になっております。自然災害なのでこういった被害は仕方のないことですが、被害を最小限に抑えるためにも日頃のメンテナンスはとても大切なことなのだと改めて感じました。そこで今回は台風(強風)と屋根のことについて書きたいと思います。


台風で屋根が飛んでしまう理由


もっとも多い原因は、定期的にメンテナンスを行っていなかったために屋根材が劣化していることに気づかなかったというケースです。
屋根材は24時間365日外気にさらされ、雨風の影響を常に受けています。日が経つにつれて劣化は進んでいき、ちょっとした衝撃で屋根の下地から外れてしまうこともあるのです。また、コケやカビが発生すると屋根の劣化はより進んでしまいます。コケやカビは暗く湿度の高いところを好みますので、屋根に日が当たっていない部分があれば、より注意が必要です。


屋根が飛んでしまった場合に起こりうるリスク

強風が原因で屋根が飛ぶ、ということがあります。気象庁の「風の強さと吹き方」の定義によると平均風速が15m/s(風に向かって歩くのが困難な状態)を超えると屋根被害の可能性が現れ始めるとされています。

強風で屋根が飛ばされてしまうと様々なリスクが生じます。
まず、住宅を守る屋根が飛ばされてしまうことで、屋根の下地が雨に濡れてしまい、雨漏りが生じる可能性が高くなります。
雨水の侵食が進むと、柱や梁など躯体にもダメージを与えてしまい、建物全体の強度が下がってしまいます。
また、風で飛ばされた屋根材が近隣の建物や車、人に直撃することも考えられます。
台風の時は風速もかなり強くなりますし、命に関わる大怪我につながる可能性も考えられるでしょう。
自宅の屋根被害だけならまだしも、飛ばされた屋根材で他人を怪我させてしまう可能性があることも理解しておく必要があります。


屋根材別の強風対策

「瓦」

【特徴】
日本家屋に用いられることが多い屋根材です。瓦は非常に耐久性に優れていますが、重量があります。
通常であればしっかりと施工されていれば良いのですが、
施工が甘かった場合や、想定外の強風時などには瓦が飛散してしまうことがあります。
また、土の上に載せているだけの「土葺き」という工法で設置されている場合も、
強風によって瓦が吹き飛ばされてしまう可能性があります。

【強風対策】
瓦が大きくずれていないかどうかなど、下から見上げて目視確認することも可能ですが
築年数が古い住宅などの場合、土葺きである可能性もあるので、一度しっかり業者に確認してもらう方が良いでしょう。

具体的な対策としては防災瓦という瓦に変更するという手があります。
防災瓦は、瓦同士を噛み合わせ、更にくぎで固定しますので台風などの災害に強い瓦です。
「瓦の風情を残したい」という方にはおすすめの対策といえます。
また、ここ最近では耐震性などをを重視し、瓦の屋根をガルバリウム鋼板などに葺き替える方も増えてきています。
ただし、どちらも全面葺き替えになるのでコストは高くなります。

「スレート」

【特徴】
厚さ約2~5mm程度の屋根材です。軽量であるため、飛散時の被害が瓦よりも小さくなる可能性があります。
ただし瓦ほどの耐久性はありませんので、劣化に気をつけなければいけません。
劣化した状態で強風に見舞われると、釘が抜けていしまい棟板金が飛んでいってしまうことがあります。

【強風対策】
定期的なメンテナンスを心がけることが重要です。
10年を目安に塗装を行い、20年を目安に工事(カバー工法や葺き替え工事)を行うようにしましょう。

「ガルバリウム鋼板」

【特徴】
安く、軽く、丈夫と三拍子そろっている屋根材で、近年採用されることが増えています。
またデザイン性にも優れていて、スレートのような趣の物から瓦のようなデザインまで自在です。

【強風対策】
耐久性を誇る屋根材ですが、メンテナンスは必要です。
耐用年数は30年程度と言われていますが、下地層が先に傷んできますので、
築10年をめどにメンテナンスの必要があるかどうか、業者によるチェックをしてもらうようにします。
その際に、何かあればしっかりと修繕し、耐風性を維持するようにしましょう。

②へ続く