***外壁塗装入門*** ~施工金額の相場~

2020/12/25

~施工金額の相場~

いざ外壁塗装をしようと思い立ったとき、“いくらかかるのか”というのは一番気になるところですよね。
外壁塗装工事は専門的な作業がいくつもの工程に分かれているため、高額な施工になりますし、消費者からすると価格体系がわかりにくいのが現状です。
生涯で何度も行うものではないですから、「いくらかかるのか、検討もつかない」という方も少なくないと思います。

いくらかかるか、ズバリお伝えしてしまうと、
外壁塗装の費用相場は、80~150万円(一般的な2階建て住宅/塗り面積200㎡)と言われています。

ただし、こちらはあくまでも相場価格。外壁塗装の費用は、例えば、住まいの大きさや塗装に使う塗料の種類、
劣化の進行具合など様々な要因によって大きく変動するため、上記より高額になるケースもあれば、上記より低く抑えられるケースもあります。

外壁塗装は施工単価が高い工事ですので、どうしても価格を抑えたくなります。
しかし、安ければ良いといったものではありません。
他よりも安い見積りを出す施工業者に工事を依頼したところ、仕上がりが良くなかったり、保証書を出してくれなかったりといった問題が起きる可能性があるからです。

その結果、外壁塗装による効果が発揮されない、塗装後すぐに不具合が生じ、メンテナンスコストがかかってしまったなどということが起こります。
何事においても言えることですが、価格を抑えるということは、その分質が落ちてしまうということになりかねないのです。

せっかく安く施工してもらえたのに、施工不良によってメンテナンスが必要になり、結局費用がかかってしまったら本末転倒ですよね。
複数の見積りの中から単純に金額の安い業者を選ぶだけでなく、多少高価でもグレードの高い塗料を使ったり、信頼できる業者に依頼するということも検討しましょう。

〇費用の内訳

外壁塗装の費用内訳は、「材料代」「足場代」「工事代(人件費)」「利益」です。

   
材料費20%塗料・養生シート・飛散防止ネット・サイディングボード・シーリング剤など、塗装をするために使用するモノすべての費用です。
足場の費用20%塗装工事は仮設足場といって、安定した足場を家の周りに建てます。安定した足場があるからこそキレイに塗装ができるので、足場の費用は必要なものとなっています。
人件費30%職人さん、または塗装工事に関わる人達を動かすための費用です。新人の職人・ベテランの職人・下請けの職人それぞれで人件費も違います。
利益・その他30%現場まで向かうための交通費・その他塗装工事をするための許可を取るための費用など、塗装工事には様々な雑費がかかります。

このように、外壁塗装の費用は様々な費用が合わさって出されていることが分かります。

外壁塗装には大きな金額がかかるので、少しでも費用を抑えたいという気持ちがあるのは十分に分かるのですが、
どれも必要な費用なため、適正な金額で費用を出した場合、業者側でお値引きするのが実は難しかったりするのです…。

〇どの塗料にするかで費用が変わる

塗装工事に使われる塗料には、様々な種類が存在していて、どの塗料にも特徴があり質が高いものと低いものでも単価が違ってきます。
塗料が違うだけでも、何十万と費用が変わってくるので、どのような塗料があるのか、また塗料によってどのような金額の違いがあるのか見てみましょう。

塗料の種類単価相場(1㎡ごと)耐用年数
アクリル系塗料1,000~1,200円/㎡4~7年
ウレタン系塗料1,800~2,000円/㎡6~10年
シリコン系塗料2,500~3,500円/㎡8~15年
フッ素系塗料3,500~4,500円/㎡15~20年
遮熱・無機などの特殊塗料5,000~5,500円/㎡15~20年

それぞれ、単価相場と耐用年数を表に入れましたが、耐用年数が高くなるにつれて単価相場も高くなっていることが分かります。
耐用年数とは「塗料の効果を保てる期間」であり、外壁塗装工事において非常に重要なポイントの一つ。
耐用年数が高いものを使用すれば、次のメンテナンス(塗装工事)までの期間を伸ばすことができ、将来的な塗装費用を安くすることができます。
塗料自体の単価は高くなりますが、結果的に費用を抑えることにも繋がるので、塗料の耐用年数は必ず覚えておいてほしいです。

【!】いくら高い質の良い塗料を使ったとしても、しっかりと丁寧な塗装が行われなければ、すぐに剥がれる塗装になります。
塗料選びも重要ですが、それを扱う業者選びもとても重要です。

〇費用相場を分かりやすく解説

1・80万円の外壁塗装工事・・・「色がついて外観が綺麗になれば良い」というレベル。

2・100万円〜120万円前後・・・「外観を綺麗にし、かつ家を保護する塗装」のレベル。一般的な塗装工事はこの価格帯が多いです。

3・130万円以上・・・特殊塗料やグレードの高い塗料を使用することになります。普通の工事ですと、130万円以上になる事はあまり無いです。

簡単なイメージではありますが、30坪から35坪位の一軒家でしたら、この費用相場はそう前後しないと思います。

〇費用を安く抑えるには

外壁塗装に費用をあまりかけたくない場合はどうしたら?
外壁塗装は周期的に発生する建物のメンテナンスの一つなので、マイホームをお持ちのあなたなら、必然的に発生するお金になってしまいます。

費用を安くするためにできる方法…正直あまり多くないです。方法としては以下の3通り位でしょうか。
本当に必要な塗装をする場合、それに必要な道具や工程や時間を用意しないといけないため、それなりの金額がかかるからなんです。

  • 地元密着の優良業者のみで相見積もりをして金額を比較
  • 営業担当の方に金額交渉をしてみる(大幅な値下げは難しいと思いますが、端数などはおまけしてくれることもあります)
  • 国の助成金、補助金を利用する

補助金や助成金に関しては、工事が全て終了してしまってから知り、申請が間に合わなかったなんてことのないように、事前に必ず調べておきましょう。
国やあなたが暮らす市区町村で、助成金や補助金を塗装工事に対して出してくれる場合があります。
例えば「遮熱塗料を利用したら○○円出します。」といったものです。
全ての市区町村でこのような助成金・補助金が用意されているわけではないので、あまり当てには出来ませんが、使える場合はぜひ使って少しでも費用を安く抑えましょう。

〇まとめ

外壁塗装の金額相場といっても、やはりひとつひとつ業者によっても違ってくるので、「〇〇円」とは言えないのが難しいところです。

A社…80万円  金額は一番安いけれど、あまり業者の対応がよくなかった。
B社…100万円 金額はA社とC社の中間。業者の対応は可もなく不可もなく。
C社…120万円 金額は一番高いけれど、業者の対応が良く信頼できると感じた。

例えばこの3社に見積もりを依頼したとして、あなたならどこに依頼するでしょうか。
「とにかく金額を安く抑えたい!対応はさほど気にならない」と思う方はA社。
「金額は少し高いけれど、対応が信頼のできそうな会社へお願いしたい」と思う方はC社。
「金額も対応も平均をとった真ん中にしよう」と思う方はB社。

金額を重視するのか、業者の対応や人柄を重視するのかなど、選ぶ基準は人それぞれです。
ですが、金額だけで決めればいいというものでもありません。
相場から桁外れな金額を出してくるような悪徳業者は論外ですが、多少の金額の前後であれば、その会社や、担当の方の人柄などで決めるのもありだと思います。
どの業者がいいと感じるかは、お客様によっても違うので、一概にはいえません。最終的には自分自身が「いい!」と判断した業者にお願いするのが一番でしょう。

金額は誰しもが一番気になるところではありますが、一番大事なようで、そうでないのかもしれません。
何より大切なのは、金額よりも業者との信頼関係や工事の中身だとわたしは思います。