〜屋根の構造・名称〜

2023/8/4

私たちの生活と家そのものを守ってくれている屋根は複雑な構造をしていて、それぞれの部材に役割と名前があります。

部材は見えないため、ほとんど知られていませんが、屋根の工事を考えている方は知っておいたほうが便利な単語もあります。

そこで屋根の構造と名称のいくつかをご紹介します。


屋根の代表的な構造

屋根を上から見ると、瓦やガルバリウム鋼板、スレートなどの屋根材が見えます。その中には、屋根材を支える部材や防水シート、下地材などがあります。これらに不具合が生じたら、雨や雪、暑さ・寒さに弱い屋根になってしまします。屋根材によって使用する部材は異なりますが、基本となる構造は同じです。

小屋組(こやぐみ)

屋根の基礎となる骨組みのこと。屋根の形は小屋組で決まります。

小屋裏(こやうら)

屋根の構造の内部のことで、野地板(のじいた)と天井に囲まれた空間のこと。屋根裏とも言われます。

室内の暑さや屋根の結露に関係しています。

棟木(むなぎ)

屋根の一番高いところにあり、屋根の背骨のような役割をしています。

垂木(たるき)

棟木から軒に向かい、打ち付けられる棒状の部材。棟木と軒をつなぎ合わせるとともに、上に敷く屋根材を支えています。

野地板(のじいた)

垂木の上に設置される屋根の下地材。通気性の調節の役割もあります。

ルーフィング

野地板の上に敷く防水シート。表面の屋根材から侵入してしまった雨水は、ルーフィングを伝い軒先まで流れていきます。雨漏り防止に欠かせません。


外から見える代表的な部材

軒天

軒下に入って見上げたときに見える屋根の裏側部分。窓から雨水が吹き込まないのは軒天があるためです。バルコニーやベランダの裏側も軒天と言われます。軒裏とも呼ばれることもあります。

外部の環境にさらされていることに加え、屋根の内部の換気をする役割も持つため、傷みやすい部材です。劣化すると見た目が悪くなるだけでなく、小屋裏に害虫が入り込むこともあり得ます。

ひどい剥がれや腐食を起こさないようにするためには、塗装で美観と耐久性を維持することが大切です。防カビ・防水・防藻の機能がある塗料が良いでしょう。

破風(はふ)/鼻隠し

破風は、屋根を三角形に見たとき、二等辺三角形の斜辺になっている部分。鼻隠しは、軒先の先端の部材で、ほとんどの場合、雨樋が取り付けられています。両方とも屋根の端にあり、上からの雨風、横から吹き付ける雨風、外壁にあたり吹き上げる風などから屋根を守っています。

破風と鼻隠しをまとめて「破風」と呼ぶ人もいます。

破風や鼻隠しが傷んで、水分を含み始めると、軒天、さらには外壁や小屋裏へと傷みが及びます。特に鼻隠しは、取り付けたられた雨どいを伝う雨水で湿気の影響を受けるため傷み安いです。傷みがひどくなると、補修や交換工事が欠かせません。軒天同様、まずは塗装の力で傷ませないようにしてください。似たような言葉に「ケラバ」があります。これは部材ではなく、破風の上端、雨樋がついていない場所のことです。業者との打合せ時、「専門用語が出てきてイマイチわからない」ということがありますよね。

屋根の構造や部材のことを少しでも知っていると、工事の依頼時や打ち合わせ時に役立ち、不安を減らすことができると思います。


もちろん、私たち業者としては、お客さまが質問をしてくださるのは、大歓迎!真剣に工事のことを考えていらっしゃるのだなと感じて嬉しく思いますし、どうしたらよりよく説明できるかと考えるきっかけになり、勉強になります!


屋根のメンテナンスで建物と生活を守っていきましょう。