お客さまと塗装工事の打ち合わせをすると、「工事中、塗料のにおいはしますか?」と聞かれることがよくあります。
特に日中も自宅で過ごす方は、どれくらいにおいがするのか気になりますよね……。
今回は、塗装時のにおいの正体と対処法についてお伝えします。
塗料の原液は粘度が高いため、希釈してから 使います。
一般的な希釈率は5%~10%で、職人が季節や湿度を考慮し、最適な粘度に調整します。
希釈剤として水を使えば「水性塗料」、専用のシンナーを使えば「油性塗料」になります。
水を使う水性塗料にはにおいがほぼありませんが、専用のシンナーを使う油性塗料はにおいを出します。
特ににおうのは、塗った後です。塗膜が乾く過程では、希釈剤が揮発します。
シンナー臭が空気中に広がるので、特有のにおいがするのです。
外壁工事は屋外でしているため、「家の窓を閉め切りにしておけばにおいしないでしょ!」と考える方もいらっしゃるでしょう。
ですが、窓を閉めていても空気の出入りはあるため、においは室内に入ってきます。
換気をしたくても建物は養生されているため、十分な換気はできません。
そのため、「対策法」を知っておくことをおすすめします!
◇シンナーを含んだ空気は重いため、上階で過ごす
シンナーを含んだ空気は、ただの空気よりの重くなる性質があります。
そのため、建物の2階よりも1階の方がにおいが溜まりやすいと言えます。
上階がある建物の場合、工事中は上の階で過ごしましょう。
就寝時も上階の方が安心です。ペットの移動も忘れてはいけません。
人間より嗅覚に優れているし、鼻が低い位置にあるので、においを強く感じているはずです。
また、アレルギーを持つ人は健康被害を受けやすという意見もあります。
上階で過ごすことに加え、マスクを着用する、極力肌の露出をさける、工事現場に近づかないことも大切です。
◇においの強い期間を最短にするスケジュールにしてもらう
工事期間中、常に強くにおうわけではありません。中塗り1日、上塗り1日、塗膜の乾燥1日目、計3日間がにおいが強くなります。
例えば土日は工事が休みで、この3日間が木曜日・金曜日・月曜日と週末をまたぐスケジュールだとします。
こうなると気になるにおいが5日間続く可能性があります。
においの不安を伝え、3日間が週末をまたがないスケジュールになるように業者と相談してみてください。
◇水性塗料を選ぶ
油性塗料ではなく水性塗料にしてもらうという方法もあります。
「油性塗料の方が優れている」と言われた時代もありますが、
年々、水性塗料の質が上がっているため油性塗料とほとんど変わらない仕上がりになります。
ただし、水性塗料にすれば、気掛かりなにおいを減らすことはできますが、まったくにおいがないというわけではありません。
また、外壁のほとんどの箇所は水性塗料で塗装が可能ですが、適さない細部もあるので、油性塗料を使う必要もあります。
◇近隣へのあいさつは忘れずに
においは気になるものの、風通しが良い環境であればにおいは広がるため、ひどくにおうということはありません。
一方、建物と建物の距離が近い、東西南北に建物があるといった環境では
風通しが悪いため、においの影響は近隣の方にも広がる可能性があります。
業者が近隣の方にあいさつと説明をして、トラブルにならないようにすることが大切です。
また、周囲の環境によっては水性塗料を使うという選択も検討しましょう。
弊社は、お客様に工事中でもできる限り快適に過ごしていただきたいと考えています。
建物・環境によっては窓の開け閉めができるような方法で養生するといった対策もあります。
においに不安がある場合、業者にしっかり伝えてくださいね!