雨と塗装 ~どうなったら中止?災害時、足場の倒壊・台風養生について~

2024/5/28

外壁塗装工事はどんな天気でもできるの?と疑問に思ったことはありませんか?
雨で塗装工事のスケジュールが変更になるのは珍しいことではありません。どんな天気の場合に工事を中断するのか、中断するときの注意点などをご説明します。


雨でもできる工程とできない工程がある

建築工事標準仕様書や塗料メーカーのカタログには、次のことが書かれています。

◆気温5度以下、湿度85%以上の場合は塗装をしない
◆降雨のおそれのある場合や強風時には原則塗装をしない

つまり、雨の影響がありそうな場合、塗装はできません。理由はいくつかあります。

まず、塗料に雨水などの不純物が入ってしまうと、本来の塗膜の強度が出なくなってしまいます。塗膜に雨水が落ち、表面に水玉のような模様ができてしまうこともあります。また、雨だと塗膜が乾きにくくなります。十分に乾かないうちに再塗装をすると、塗膜の剥がれやひび割れ、白化などが起きやすくもなります。

もうひとつ、大切な理由があります。
それは、職人の安全が守られないことです。雨で足場が濡れるととても滑りやすくなるため、落下事故につながりかねません。こういった問題を起こさないために、塗装業者は天気予報をこまめに確認したり、現場に湿度計を置いたりして、工事スケジュールを臨機応変に調整します。足場の設置や高圧洗浄の雨でも問題なくできるため、進めることもあります。

悪天候時は現場での“応急処置”が不可欠

台風が近づいているときも工事は一時中断します。
雨風で塗装ができないのはもちろん、職人が足場での作業中に風にあおられたり、雨水で滑ったりして、落下するリスクがあるためです。

中断する際、業者には必ずしなければならないことがあります。それは「台風養生」です。
外壁塗装中は塗料が近隣に飛び散ちるのを防ぐための「飛散防止シート」を建物のまわりに張ります。この飛散防止シートはとても大きいため、台風の強い風であおられると、ヨットの帆のように風を受けて大きく揺れて、足場に衝撃を与えて倒してしまうことがあります。そのため、シートを畳んで骨組みに縛り付ける「台風養生」をします。すると風は通り抜けていくため、足場が倒壊することがなくなります。

そもそも足場の設置には強度基準が定められているため、簡単に崩れてしまうようなことはありません。しかし飛散防止シートが原因となって崩壊する事故が起きてしまう可能性はゼロではありません。
また、工事のために敷地内に持ち込んでいる道具や材料も周囲に飛んだりすることがないように、撤収したり、養生シートで囲いしっかり止めたりもします。足場の部材にゆるみがないかを確認し、締め直しておくことも欠かせません。
業者は台風時のリスクを十分に理解しているはずです。もし対処する様子がなければ、対策は必要ないのか確認することをおすすめします。


強風のときにも台風養生を活用

台風が近づいてなくても、強風が予想される場合は台風養生をしたり、飛散防止シートの一部分を閉じて、風が通り抜ける道をつくったりします。風で足場が揺れ、建物にぶつかり、傷をつくったり、壊してしまったりする可能性はゼロではないためです。台風や強風が過ぎたら、塗装工事を続行できる状態か、飛来物により衝撃や雨漏りないかを確認し、作業を再開します。
中には「台風や強風時には飛来物が家にぶつかったり、雨漏りがおきたりすることが心配なので飛散防止シートをそのままにしておいて欲しい」と思う施主さまもいらっしゃるでしょう。確かに飛散防止シートを広げておけば、建物を保護してくれますが、そのままにしていると大きな事故を引き起こしかねません。安全第一の現場は施主さまと業者で一丸となってつくるものです。

一般的に、外壁の塗装工事が完了するまでには2週間程度かかります。雨風や台風の影響で工事を中断したにも関わらず、2週間より短い期間で工事が終了したら、工事に手抜きがあるのかもしれません!工期が伸びると、不安を感じたり、面倒に思ったりすることもあるかもしれませんが、適切な工事をするためには必要な時間だと、ぜひ理解してください。