耐用年数が超長い!?近年注目の無機塗料についてご紹介します

2023/11/9

外壁や屋根塗装の相談をして、「無機塗料」を塗装業者に紹介される人が増えているようです。

「良さそうだけど、あまり聞いたことないから」と悩む方は少なくありません。

そこで近年注目の無機塗料についてご紹介します。

無機塗料は耐用年数が長い!

”シリコン塗料” ”フッ素塗料” ”アクリル塗料”など、以前から使用されていた塗料は有機物である合成樹脂を使って作られているので「有機塗料」と呼ばれます。これに対し、鉱物などの無機物を使用し作られているのが「無機塗料」です。

有機物は紫外線を受け続けると劣化しますが、無機物は半永久的な耐久性を持ちます。そのため、無機塗料と有機塗料との大きな違いは耐用年数で、一般的に耐用年数が10年程の有機塗料に対し、無機塗料の耐用年数は20年以上と非常に長いのが最大の特長です。耐用年数の長さは、塗料の最高グレードと評価されています。

有機塗料に比べ高額な塗料であるものの、塗装をすると塗り替えサイクルを延ばせるので、長期的に見るとメンテナンス費用を削減することができ、近年では耐久性を重要視する方を中心に人気が高まっています。

無機物が半永久的な耐久性を持つなら、無機塗料の耐用年数も半永久的のはずでは?とお考えになる方もいらっしゃるかと思いますが、無機物100%で塗料を作ると固すぎて塗料に必要な粘着性が失われてしまうため、無機物の利点を活かしつつ有機物を混ぜてつくられています。「無機有機ハイブリッド塗料」「無機ハイブリッド塗料」と呼ばれることもあり、耐久性は有機塗料に比べ長いですが、半永久的にメンテナンスが不要という塗料は現状存在しません。

無機塗料のメリット・デメリット

【メリット】

◎耐用年数が長い・・・前述の通り、無機物は紫外線や雨の影響を受けにくいため、よい状態を長く保てます。

◎カビやコケが生えにくい・・・カビやコケは有機物を栄養分にしています。無機塗料は有機物をあまり含んでいないため、カビやコケが生える
               のを抑えることができます。

◎燃えにくい・・・使われている無機物とはレンガやガラスであるため、有機塗料に比べると燃えにくく、火事にも強いといえます。

◎水で汚れを流せる・・・無機塗料には親水性(水になじみやすい)が高いという特性があります。雨水をつかって表面に付いた汚れを洗い流す
            ことができます。

◎汚れがつきにくい・・・静電気が起こりにくいのも無機塗料の特性です。静電気が起きるとチリやホコリを寄せ付け、汚れを壁に付けてしまい
            ますが、これが起きない点も汚れにくさにつながります。

【デメリット】

◎ひび割れしやすい・・・有機塗料に比べ固い塗膜になるので、表面がひび割れることがあります。塗装業者には壁材の状態を見て、無機塗料の
            塗装の可否を判断する能力が求められます。大きな地震などによる衝撃には強くありません。

◎相性の悪い壁材がある・・・木製やガルバリウム鋼板の外壁材とは密着しづらい性質をしています。壁材によっては施工ができない場合があり
            ます。

◎価格が高い・・・有機塗料に比べ、高額です。新築や築年数の浅い建物にはおすすめですが、古い建物には向きません。

◎ツヤは消せない・・・無機塗料にはツヤがあります。性質上、ツヤはなくせないため、ツヤを好まない方には向きません。ツヤを消す
           添加剤を配合している無機塗料もありますが、その分、耐久性が落ちていると考えてください。

工事は経験豊富な業者に依頼を

無機塗料の施工を希望する場合、塗料の性質を十分に理解している業者でないと確実な施工ができないため、無機塗料の使用実績や経験の長い職人の在籍した業者に依頼をすることをおすすめします。

また、無機塗料には“○%以上の無機物が入っている”といった定義がありません。ほんの少し無機物が入っている塗料を無機塗料だと言い張り営業をする悪徳業者もいます。高額な工事になるので、無機塗料の知識や施工の経験を持っていて、相談にのったり質問に答えたりしてくれる業者を見つけてくださいね。