下請けと元請けの違い

2023/10/28

「下請け」「元請け」という言葉をご存じですか?

塗装工事だけでなく、エアコンの取り付け、水道工事…などでも使われるため、耳にしたことがあると思います。良い悪いということではなく、それぞれの役割や体制を知っておくことは、納得のいく業者選びにつながります。

「下請け」と「元請け」とは?

例えばホームセンターにリフォームを依頼すると、家には地域の職人がやってくることが多くあります。ホームセンターは、社内にリフォームの専門的技術を持つスタッフがいないため、外部の職人に実際の作業を依頼しているのです。
このとき、ホームセンターが「元請け」、職人が「下請け」と呼ばれます。

塗装工事では、施主さまが工事を大手メーカーや工事業者に依頼した場合、中堅の塗装工事業者や工務店、地域密着の塗装業者などに仕事を発注します。大手メーカーや工事業者が「元請け」、中堅の塗装工事業者や工務店、地域密着の塗装業者は「下請け」ということです。

下請けがいるのは悪い会社?

会社の規模が大きいことに安心感などのメリットを感じ、契約を決めた場合、家にまったく別の会社の職人が来たら、「え?」と思うでしょう。ですが、元請けが下請けに工事を任せるというのはよくあることです。下請けをしている会社は独立して数年というケースは多く、会社を成長させるためにも真剣に仕事をしてくれるでしょう。また最近は、元請けと下請けが上下関係にあるのではなく、パートナー、協力会社といえる関係で成り立っているケースもあります。

ただし、すべての下請けが良い業者とは限りません。知識や技術が不足していれば、結果として、良くない業者に依頼したのと同じ結果になってしまいます。元請けはお客さまからの信用を失墜することがないように予算や工期、人員確保などについてよく確認し合い、適切な業者の選定を目指しますが、時にトラブルは起きているようです。

中間マージンが「手抜き」を招く

元請けが下請けのモチベーションを下げてしまうこともあります。

元請けは下請けに発注する際、紹介料や仲介料として「中間マージン」をとります。下請けにはお客さまが支払った額から中間マージンを引いた額が渡ります。例えばお客さまは100万円支払っても中間マージンで40万円抜かれてしまえば、工事の実際の予算は60万円なのです。下請けはここから材料費や人件費を出し、会社として利益も得なければならないので、長時間労働や無理な工期を職人に押し付けることがあります。塗装の質が下がるのは言うまでもありません。

また、間に入る会社が増えれば増えるほど、施工に使える金額も時間も少なくなっていきます。元請けがマージンをとり、下請けに工事を丸投げすることは「建設業法」で禁止されています。

元請けの業者は地域にもいる

中堅の塗装工事業者や工務店、地域密着の塗装業者は下請けだけでなく、元請けとしても仕事をしているのがほとんどです。会社の規模は小さくても、社内に職人がいて、相談から施工までしてくれるため、比較的に低予算で質の高い工事ができるといえます。中には下請けを経験した時期があるからこそ、お客さま第一にサービスを目指す業者もいるでしょう。多少の手間はかかるものの、口コミや紹介サイトなどを頼り地域の元請け業者を探すことはできます。

元請けと下請けの関係性を知ると、自分にとっての「よい業者」が見えてくると思います。依頼しようとしている業者がどんな体制かわからず、気になる場合は、見積もり時に確認してみることをおすすめします。