塗料の適正な施工方法とは?適正塗布量や硬化時間が大切

2023/10/16

「塗膜は厚い方がいい」と思っていませんか?

実は、厚すぎるのも薄すぎるのもNG!塗装工事では、適正な施工方法と塗布量、硬化時間が定められており、これらを守ってはじめて塗膜の
機能が最大化します。

塗料には適正塗布量がある

塗料メーカーは種類ごとに規定塗布量といって、「1㎡あたりに使用する塗料の量(もしくは1缶当たりの塗り面積)」を示しています。
これは、塗料の性能を発揮するためにどれくらいの広さに対してどれだけの量の塗料を使用すべきかの適正量を教えてくれるものです。

<例>
◆1㎡当たりの使用量が0.11kgの塗料をつかい、150㎡の外壁を塗装する場合

【0.11×150=16.5】=16.5kgの塗料が必要だということです。

◆塗料1缶の容量が15kgの場合

【16.5÷15=1.1】=1.1缶分の塗料が必要

この工事において、1缶の半分で塗り終えてしまったらどうでしょうか?

塗膜は薄過ぎるので、理想の光沢がでなかったり、数年で色褪せしてしまったり、急激にひび割れが進んだりしてしまうでしょう。

厚すぎる場合も同様で、表面と内部で乾燥までにかかる時間にズレが出てしまうため、引っ張られて亀裂ができたり、ひび割れ
しやすくなってしまいます。液だれが起きる、小さな泡状の膨れが発生こともあります。

多くても少なくても不具合が起こる可能性があるので、適正量を守ることが必要なのです。

中には適正量より多く塗料を使用することもあります。外壁が凹凸や波状のデザインの場合、延ばすと表面積が大きくなり、その分の塗料が必要になるためです。

塗料を薄める業者も……

塗料を薄めると、伸びが良くなるので、手早く塗れますし、材料費・人件費ともにコストカットができます。塗料を薄めるのは悪徳業者が儲けのためによくやる手法です。しかし、薄い塗膜は不具合のもと!避けたいものです。

ただ、工期ずっと、運び込まれる缶や空く缶のチェックをしていることは不可能です。

そのため、問合せや見積もりの段階でどのくらいの塗料が必要になるか質問をしたり、確認をしたりすることが大切で、優良業者を選ぶことに
つながります。

乾燥時間にも目安がある

適正量を守るとともに、硬化時間を確保する、つまり、塗膜が十分に乾燥し固まるように必要時間をとることも大切です。外壁塗装では下塗り・中塗り・上塗りと塗り重ねていき、塗膜に適正な厚みを持たせます。

作業と作業の間に硬化時間を確保いないと厚みが出ませんし、重ねた後で下の塗膜が縮んだりすることからすぐに剥がれてしまうような出来上がりになってしまうためです。

外壁塗装につかう塗料は、気温5℃以下と湿度85%以上の場合はうまく乾燥しないため、施工は避けます。また、条件をクリアしていても、寒ければ乾燥に時間がかかりますし、暑ければ乾燥は早くなります。塗料の種類だけでなく、気候や環境が硬化時間に多少の差を生むものの重ね塗りをするまでには「4時間以上」がひとつの目安といえます。また、希釈率を守らないと硬化するまでの時間も変わってしまうため、塗料を適正な希釈率で適正量塗ることが大前提になります。

完全乾燥には1か月必要

塗膜の乾燥は徐々に進んでいます。

「指触乾燥(塗装面に指で軽く触れても指に塗料が付かない程度)」

→「半硬化乾燥(塗膜を軽く擦っても擦り跡が付かない程度)」

→「硬化乾燥(塗装面を強く押しても凹まない)」

これを経て、塗膜内部の乾燥・硬化が終わります。

重ね塗りをするには、半硬化乾燥まで進んでいる必要があります。また、完全乾燥までの4段階を終えるには、工事から1~2か月の期間が必要です。途中に雨が降るなどしても問題ありません。

塗料には適正な塗布量と硬化時間があることがお分かりいただけたと思います。

知識を増やし、より良い塗り替えに工事につなげてください!