金属板をうすく加工してつくる「金属屋根」は、軽い・耐久性が高い・いろんな屋根のかたちに対応できるなどのメリットがあるため、
一般家庭から企業や工場まで広く使用されています。
今回は注目の金属屋根メーカーをご紹介します。
■ディーズルーフィング
ハリケーンの多いアメリカで生まれた屋根材で、世界のあらゆる気候下でも性能を発揮しています。20年以上前に株式会社ディートレーディングが現地メーカーと契約し、日本国内での販売をはじめました。日本の気候などの特徴をふまえた防災性・快適性・施工性などの検証が続けられています。
基材は腐食と熱に強い、軽い、加工がしやすいといった特長をもつ「ジンカリウム鋼板」。さらに、表面を石粒状にし、屋根材と屋根下地との間には十分な空気層を確保することで、熱伝導を起こりづらくし、表面が熱くなるという金属屋根の課題を解消しています。表面の石粒の凸凹は雨粒を拡散させる効果もあるため、雨音も軽減されています。
■伊藤忠建材
屋根材の他、住宅設備機器や外壁材などさまざまな住宅建材も扱うメーカーです。同メーカーの金属屋根といえば「スカイメタルルーフ」。
錆に強い「ジンカリウム鋼板」を基材とし、その上に石粒を接着した屋根材です。重さは一般的な屋根材であるスレートの約1/3、石粒の働きで雨音や熱を建物に伝えにくいなどの特長があります。高い防災性・耐久性・軽量性・対候性が認められ、世界各国でもつかわれています。
国内の商品は施工性と美観性にも優れています。
石粒に700度以上の高温酸化焼成を施し、表面がガラスコーティングされた状態になっているので対候性が高く、長期の維持コストを削減することができます。また、石粒の層があるのでさまざまなデザインが可能です。
■セキノ興産
60年以上にわたり金属建材の加工販売をする歴史ある金属屋根メーカーです。地震大国日本には耐震対策が非常に重要という考えのもと、金属屋根の開発に力を入れています。ほとんとの基材は、薄くて軽いという点で耐震性に優れる「ガルバリウム鋼板」。ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛が主なので錆にも強い金属板です。
それぞれに特徴のある商品が豊富に揃っているため、リフォーム時には既設屋根材や目的に合わせて屋根材を選ぶことができます。
例えば「柾目FLeX」は、金属なのに平行な木目を連想させる意匠性で日本の伝統的な建物のような屋根にできます。
金属屋根メーカーだからこそできる屋根に穴をあけない太陽光パネルを固定する取り付け工法にも定評があります。
■IG工業
金属製の外装材の専門メーカーで、金属板と断熱材を一体化させた屋根材のアイジールーフ「ガルテクトシリーズ」を展開しています。軽量で断熱に優れているため、木造建築と相性がよい製品です。
基材となる金属板はガルバリウム鋼板にマグネシウムを添加したのもの。一般的なガルバリウム鋼板に比べて3倍の寿命が期待できるそうです。また、ガルテクトシリーズのスーパーガルテクトCは短尺タイプで軽トラックで現場に搬送できるため、狭小地でも施工できます。
断熱性、軽量性、施工性、優れた防水性があり、災害発生時の供給によって復興支援に貢献したことなどが評価され、令和2年度全国発明表彰「日本弁理士会会長賞」を受賞しました。
昔、金属屋根の素材といえばトタン板か銅板でしたが、今は新しい素材がたくさん開発され、ほとんどの商品で金属屋根のマイナス面を克服しています。リフォーム時には金属屋根を検討してみるのもいいですね。