塗料メーカー

2023/7/14

外壁や屋根の塗料の国内メーカーはいくつもあります。シェアを獲っているのは大手の日本ペイントや関西ペイントです。

「そのメーカー名は聞いたことある!」という方もいらっしゃるでしょう。

また、中規模のメーカーも負けてはいません。水谷ペイントやアステックペイントなどは機能性で勝負をしている印象を受けます。

今回は、主な塗料メーカーと特徴をご紹介します。


◆日本ペイント

1881年に創業。業界で「ニッペ」と親しまれていて、現在国内シェアNo.1を誇ります。ニッペと言えば国内初のラジカル制御塗料「パーフェクトトップ」が有名です。

「ラジカル」とは、塗料の成分のひとつの酸化チタンに紫外線があたって発生する物質で、塗料中の樹脂を分解して劣化を促進させることがわかっています。ラジカル制御塗料はこの「ラジカル」の発生を可能な限り抑えるため、長期間、塗料の劣化を防げます。屋根塗装では「サーモアイSi」が知られています。

下塗りにも遮熱機能があるので高い効果を発揮できます。比較的、価格と耐久性のバランスが良い塗料です。


◆関西ペイント

1918年に創業し、塗料事業に注力して成長を続けてきたメーカーです。海外展開もしていて、特にその地域のニーズに応える製品開発に力を入れています。例えばマラリアが社会問題であるアフリカでは虫よけ塗料の開発・普及に尽力をしています。

外壁用のラジカル制御塗料「アレスダイナミックトップ」や、無機と有機の特性を最大限に発揮させた「ダイナミックMUKI」などが有名です。「ダイナミックMUKI」にはラジカル制御技術も取り入れられていて、フッソ樹脂塗料を超えるとの評価もあります。


◆アステックペイント

オーストラリアは世界の中でも過酷な自然環境で、日本の3~5倍も紫外線量が多いといわれます。

塗装が非常に劣化しやすい環境であるため、耐久性に優れた塗料が出回っています。そんなオーストラリアで信頼されているアステックペイントオーストラリアの日本総代理店として創業したメーカーです。

建物の保護の重要性はもちろん、日本では美観の維持も課題です。特に近年は排気ガスや黄砂・PM2.5などの汚染物質が増加しているため、美観の維持は課題とされています。

アステックペイントでは、汚れを寄せ付けない「超低汚染リファインシリーズ」を開発。

塗膜に必要なあらゆる効果を備えた理想的な塗料と評価されています。また、遮熱性と超低汚染を両立していて、従来の遮熱塗料の経年で外壁が汚れると機能を継続できなくなるという課題をクリアしているため、窯業系サイデイングの施工にも最適な塗料です。

【その他の主な塗料】

・シリコン REVO1000(外壁)

・スーパーシャネツサーモ F(屋根)


◆水谷ペイント

塗装分野で初めて、科学技術の発展において非常に権威のある「井上春成賞」と「工業技術賞」をW受賞したメーカーです。塗料業界第1号のエコマークを取得するなど、環境保全にも配慮しながら高品質・高機能な塗料づくりを進めています。

W受賞につながった技術によって生み出されたのが外壁塗料「ナノコンポジットシリーズ(ナノコンポジットW・ナノコンポジットF)」です。従来の塗料には目には見えない小さな凹凸があるため、排ガスなどの汚れが付着してしまいますが、「ナノコンポジットシリーズ」では、ナノテクノロジーを駆使し限りなく凹凸を小さくすることに成功。汚れはもちろん、紫外線や降雨の影響を最小限に抑えることができます。

【その他の主な塗料】

・快適サーモF(屋根)……下塗りと上塗りのダブルの遮熱効果で屋根の温度上昇を抑えます。

日本にはさまざまな塗料メーカーがあり、それぞれに特徴があります。塗装工事時にはぜひご自身の要望を施工業者に伝えてください。理想の塗料に出合えるはずです!