バルコニーのメンテナンス

2023/5/13

今日、バルコニーに出入りしましたか?洗濯ものを干したり、鉢植えに水をあげたり、外の景色を眺めたり……1日のうちに何度もバルコニーに出入りしていると思います。

バルコニーは、人の出入りが多く、雨も紫外線も直接当たるので、傷みやすい場所です。傷みが進行すれば、防水機能が落ちて水漏れが起き、さまざまな問題に発展します。外壁・屋根塗装のリフォームと同様に、バルコニーの防水工事も非常に大切です。


バルコニーも定期チェックを

バルコニーは水が溜まりやすい場所ですが、人が出入りしやすいように、ほとんど傾斜がありません。床面に防水層があり、そこに保護塗料を塗って、水漏れなどの問題を防いでいます。しかし、紫外線を受けたり、人が歩いて摩擦が起きたりし、徐々に劣化していきます。

バルコニーの防水の寿命は、環境と塗料によって異なりますが、5年~12年です。保護塗料のみの症状の場合は、新しく保護塗料を塗り直すだけでメンテナンスを完了できます。日々のチェックと早めの対応が大切です。

■床面

「水溜まりがなかなか引かなくなった」「タイルやシートがめくれあがったり、はがれたりしている」「ひび割れがある」という症状は防水機能が落ちているサインです。

■笠木(かさぎ)

バルコニーの壁の上の仕上げ材部分を笠木といいます。手すりがついていることが多い場所です。一般的には傷みにくい素材でできているため定期的な塗装はいりません。しかし、笠木の継ぎ目に隙間ができてしまい、そこから雨水が流れ込むことはあり得ます。隙間を見つけたらメンテナンスが必要です。

■排水口

飛んできた葉や砂、ごみなどが溜まり詰まってしまうと、バルコニーに水が溜まってしまいます。バルコニーをよい環境に保つために、ぜひ排水口の掃除はしてくださいね。


バルコニーにはウレタン防水が最適

防水工事にはいくつか種類があります。住宅のバルコニーに合っているのは「ウレタン防水」です。ウレタン防水とは、ウレタン樹脂を複数回塗り、防水層を形成する工法です。

○メリット

・比較的簡単な改修工事なので、工期は短く、コストは抑えられる。

・つなぎ目のない防水層を形成することができる。

・バルコニーの他、屋上、ベランダ等どんな形状の場所でも施工できる。

×デメリット

・職人の技術によっては均一な塗膜にならないことがある。


広さや環境に合った工法で

ウレタン防水は、施工する場所の特性によって工法を変えます。

【通気緩衝工法】

勾配のない平らな屋根やマンションの屋上など面積が広い箇所、直接雨があたる屋上やルーフバルコニーに適しています。

建材が水分を含んだ状態で防水工事をすると、施工後、水分は蒸発しようとして防水層を押し上げてしまいます。通気緩衝工法では小さな穴があいている通気緩衡シートを下地に貼り付け、その上から防水材を塗布します。下地から上がってきた水分はシートの穴を通り道にして脱気筒に移動するので外に逃がすことができます。

【密着工法】

住宅のベランダやバルコニーなど狭い箇所の防水工事に向いています。

メッシュのような補強布を貼り付け、その上からウレタン防水材を塗布します。比較的簡単な工法ですが、下地と密着させるので下地処理がとても重要です。防水層のひび割れ・膨れなどを発生させないために、手を抜かずにていねいな下地処理をする業者を選んでください。


防水工事は、下地が傷んでいる・長年防水工事をしていないケースに最適な「塩ビシート防水」、強度、耐水性、耐熱性など優れた特性を持つ「FRP防水」もあります。それぞれメリット、デメリットがあるので、施工時にはプロの業者と相談してください。