雨と塗装 

2023/3/16

今年も梅雨がやってきました。この時期にお客さまと打合せをすると、「本格的な梅雨になる前に終わしたい」「梅雨が終わってからのスケジュールで考えている」というお話が出ます。雨と塗装の相性は悪いというイメージがありますよね。


梅雨時期も外壁塗装はできる

以前のブログで、「梅雨時期は外壁塗装できないと思われているけれど、実はできます!」ということをお伝えしたことがあります。まとめると次のような内容です。

●塗料は乾燥させることで強くなる性質があるので、梅雨のように雨が続く中で作業を進めると塗膜の質や強度・耐久性に影響が出てしまうことがある……。

●各塗料メーカーは、施工環境の条件を定めていて、塗装業者はこれを必ず守り、常に天候をチェックし雨に細心の注意を払いながら工事を進めていく。また、季節に関係なく工事の最中は雨風を防ぐためのカバーをするため、塗面が雨にさらされてしまうようなことはない。そのため、梅雨だから塗装ができないということはない。

●ただ、当日の天候に合わせ、作業を変更したり、延期したりすることは必要なので、梅雨時期は他の季節に比べるとスケジュールがズレやすくなる。


雨の日にするのは「塗料を使わない作業」

細心の注意を払って施工をすると言っても、雨だと仕上がりや耐久性に多少は影響が出てしまうのでは?と心配になる方もいらっしゃるでしょう。

「雨の日でも施工できる」を正確に言うと、「雨の日は塗料を使う作業はせずに、雨でも影響がない作業をする」ということです。雨の日は、塗料を塗れる状態になったらすぐに作業をできるように準備をする工程を進めます。

●足場の組み立て

足場は、高所でも職人が安定した姿勢で塗装をし、クオリティを保つために欠かせません。また、塗料や汚れなどの飛散を防止するシートを張るにも足場が必要です。

多少の雨の場合、足場の組み立ては進めます。ただ、雨が降っていると足場が滑りやすくなるため、特に高所の作業には危険が伴います。職人の体を守るため、また、施主さまにご迷惑をかけないため、天候と相談をしながら作業をします。

●高圧洗浄

高圧洗浄は、水の力で粉のようになった古い塗膜や剥がれた塗膜、その他にも外壁についた汚れやコケ、カビなどを削り落とす作業です。新しい塗料が外壁に密着するように行います。

シートを張って、周囲に汚れを含んだ水が飛び散ったりしないようにしますが、天気のいい日は施主さまもご近所の方々も洗濯物を干していたりするので、作業中、水の飛び散りがやはり心配です。一方、雨の日は、周囲を心配することなく洗浄ができます。高圧洗浄は雨の日でもできる、というより、雨の日は高圧洗浄日和なのです。

●ケレン作業

ケレン作業とは、鉄部分のサビをヤスリなどでこすって落とし、塗料を付着しやすくする作業です。細かい作業ですが、鉄部はそもそも塗料の付着が悪いので、ていねいにしなければいけません。また、塗料と外壁素材が触れ合う面積を増やして塗料を密着しやすくする「目荒らし」もケレン作業のひとつです。これらは雨の日にも問題なくできる工程です。


雨が降る前後は作業しない選択も

工程が進み、塗料を使う段階に入ったら、これから雨が降る可能性が高い日や雨上がり後すぐは作業をしません。

塗料は下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本で、塗膜が乾燥しなければ次の塗装はできません。そのため、乾燥に向かない環境のときには、塗装作業を見送るります。

雨のとき、私たち業者はよりよい仕上がりを目指し、柔軟に対応に努めています。もし、施工スケジュールを最優先にしたり、「雨に強い独自の塗料を使っている」といった主張をしたりする業者がいたら、お気をつけくださいね!