***雨樋のメンテナンス***

2022/10/17

どこの住宅の屋根にも必ずと言っていいほど付帯している”雨樋”ですが、皆さんは雨樋のことを気にしたことはありますか?
おそらく、ほとんどの方が気にしたことはないと思います。この雨樋、しばらく放置している間に汚れが溜まってしまっていたり、経年劣化などが原因で破損してしまったりしていると、本来の役割を果たすことができません。特に大雨が降った時などは、屋根から落ちてきた水が建物へ大量に吹き込んでしまい、外壁や建物自体の劣化の原因となってしまうこともあります。
また雨樋自体が劣化してもろくなっていた場合、強風などで外れてしまったら大変危険です。

外壁や屋根のように、あまり気にされることの少ない「雨樋」ですが、その雨樋に関して少し書いてみたいと思います。


~雨樋の役割とは~

そもそも雨樋(あまどい)とは、屋根の表面を流れていく雨水を集めて、下水や地上へ誘導する設備のことです。

腐食の原因となる雨水が、住宅に侵入することを防ぐ重要な役割を果たします。
雨樋がないと、屋根から外壁に雨水が直接流れていくことになるため、外壁がすぐに劣化してしまいます。さらに、屋根から地面に直接水が落ちていった場合には、水の落ちた箇所の地面が凹んでしまったり、住宅物の基礎が老朽化しやすくなってしまいます。
雨樋は、普段はあまり気にすることがない箇所かもしれませんが、実は住宅全体を守るための、大切なものなのです。

~雨樋の修理・補修~

雨樋の破損や劣化を放置すると、建物そのもの寿命を縮めてしまいます。
雨漏りはしていなくても、雨樋の劣化を発見したら、早めに修理を依頼しましょう。
状態がどんどん悪化してしまうと、他の箇所にも影響しやすくなる上、改修費用も膨大になってしまいます。

雨樋を修理・補修するためには、壊れてしまった原因と適切な対処法をしっかり理解しておくことも大切です。

~雨樋が壊れる原因と対策~

雨樋に欠陥が見つかるときの主な原因は、大きく分けて6つあります。


〇雨樋に詰まり・ゴミが多くある

雨樋で詰まりが起きやすいのは、屋根からの雨水を集めるための「集水器」と、雨水を下方向に流す「竪樋(たてどい)」です。
縦に円筒状になっているため、どうしてもゴミが入りやすくなってしまいます。近くに樹木がある場合、9割方は落ち葉が詰まりの原因です。鳥の巣や、風で飛んできたビニール袋が入り込んでいることもあります。
手が届く範囲のゴミ・落ち葉を取り除き、雨樋にバケツで水を流し入れてスムーズに流れるようなら問題ありません。ゴミを取ってみても解決しなければ、専門の業者に依頼しましょう

↑左側の四角い箱が集水器、そこから下に伸びているのが竪樋


〇経年劣化
雨樋の耐用年数は20年、長くても25年位です。
それ以上経っていると、外れたり穴が空いたりして、雨漏りを引き起こしてしまいます。経年劣化した雨樋は、新しいものに交換するしかありません。自力で何とかしようとせず、長期間使用している場合は早めに交換工事を頼みましょう。

〇風や雪による被害

突風や積雪による、雨樋の破損や不具合は、1階よりも2階の方が起こりやすいです。
突風などで、劣化していた金具が雨樋ごと外れてしまったり、屋根に積もった雪が下へずり落ちてきた際の重みで壊れてしまったり…
自然災害によって起きてしまったことはどうしようもありませんが、もし火災保険に加入していれば、風や雪による住宅被害は保険の対象になりやすいです。雨樋が外れてしまっていたり、壊れてしまっている場合には、自分で直すことは出来ませんので、悪化してしまう前に、業者に交換をお願いしましょう。
親切な修理業者であれば、スタッフの方から「火災保険に加入されていますか?」と聞いてきてくれるので、相談してみることをお勧めします。

→雨樋メンテナンス②へ続く