***防水工事③*** ~ウレタン防水(通気緩衝工法と密着工法)~

2022/10/17

いくつかの防水工事の種類を紹介しましたが、弊社で主に行っている施工は最も主流とされている「ウレタン防水」になります。

ウレタン樹脂は液体状のため、つなぎ目のない防水層を形成することができ、屋上、ベランダ、バルコニー等どんな形状の場所にも採用できます。施工も簡単で、防水工事の中では安価な上に、別の素材の防水材があってもそのまま上から重ね塗りもできるなどメリットが多く、目立った短所がないのが特徴です。5、6年ごとにトップコートを再塗装することで、防水効果を保持できます。

防水工事で迷ったら、ウレタン防水をオススメします!

ウレタン防水の施工方法にもいくつか種類がありますが、主に採用されることの多い「密着工法」と「通気緩衝工法」の2つについて紹介したいとおもいます。


~ウレタン防水~

『通気緩衝工法』とは・・・

小さな穴があいている通気緩衡シートを貼り付け、その上からウレタン防水材を塗布します。
初期費用は密着工法と比べて高くなりますが、雨漏りなど水分を含んだ下地に最も効果的な工法です。
長年にわたって下地に浸入した水分がそのまま下地に染みこむと雨漏りが、
日にあたって湿気となって出ようとすれば膨れという劣化症状が発生します。
通気緩衝工法では、そのような劣化の原因となる下地に含まれた水分をシートの穴を通り道にして、
脱気装置で外部に逃がすことができます。
水分を多く含んでいる可能性が高い築年数が古い建物や、ルーフバルコニー、陸屋根、
マンションの屋上など面積が広い箇所におすすめといえます。


『密着工法とは』・・・

メッシュのような補強布を貼り付け、その上からウレタン防水材を塗布します。
工期が比較的早く、工事費用を安く抑えることができます。
短期間で防水工事を行ないたいといった方におすすめとも言えます。
下地の影響を受けやすく、きちんと下地が処理されていなかった場合、
防水層のひび割れ・膨れなどが発生しやすくなりますので注意が必要です。
特に下地を十分乾燥させる必要があり、ベランダなどの狭い箇所の防水工事に向いています。
水分を含んだ状態のままウレタン防水で蓋をしてしまうと、
太陽熱などで蒸気になった水分が逃げ場を失い「膨れ」と呼ばれる劣化現象を引き起こします。
すでに雨漏りしている建物や厚い保護コンクリートに覆われた屋上などは
中まで完全に乾燥させることが難しいため、密着工法より通気緩衝工法がいいでしょう。


・・・【通気緩衝工法】施工の流れ ・・・


1.施工前

汚れの上に塗布してもすぐ剥がれてしまうため、まずは汚れを洗浄し密着性をよくします。

2.下地調整

表面の凸凹や、ひび割れなどを、下地調整材できれいにします。

3.通気シート及び脱気筒の設置 ※通気緩衝工法の場合のみ

専用の接着剤を塗布しシートを貼り付けていきます。
シートの小さな穴が空いてるため、下からの湿気などを脱気筒を通して外に逃がします。

4.ウレタン防水(下塗り)

シートの上にウレタンをムラなく塗布していきます。

5.ウレタン防水(中塗り)

1層目同様に塗布していきます。脱気筒周辺などは、しっかりと膜厚をつけて塗布します。

6.ウレタン防水(上塗り)  → 施工完了!!

ウレタンを保護する役目のトップコートを塗って完了です。
5年に一度を目安にトップコートの塗り替えをおすすめします。


メリットが多く、目立ったデメリットのないウレタン防水。防水工事に迷ったら、ウレタン防水をオススメします!