~外壁塗装工事に発生してしまう代表的な「手抜き」~
これまでに「外壁塗装の工事の流れ」の概略を説明してきました。
各工程で何が必要で、どんなことをしなければならないのかがお分かり頂けたかと思います。
すると悪質業者が行う、「手抜き工事」というのも見えてきたのではないでしょうか。
手抜き工事は、人件費節約のために、工事期間を早めたり、短くするなど、
やらなければならない工程を飛ばして手間を省くことで起こることが多いです。
代表的な手抜きの手口をご紹介します。
従来の足場を設置せずに塗装工事を行う
足場代を節約する為に、足場を勝手に簡易的に組んでしまう業者がいます。
外壁塗装の際、足場が万度に組まれている事で隅々まで塗装工事を行う事が出来ます。
足場が万度に組まれていなければ、建物の端や細部などを万度の塗布する事が出来なくなってしまいます。
結果、所定の塗膜の厚みをキープ出来ず、塗膜本来の効果を発揮する事が難しくなってしまいます。
養生をきちんとしない
外壁塗装の場合、塗料を付着させたくない窓やフード等は、養生材で綺麗にしっかりと養生を行う事が鉄則となります。
丁寧に養生をすると費用も手間もかかってしまうので、適当な養生で外壁塗装工事を行おうとする業者がいます。
しかし、塗装の基本である養生も満足にできない適当な業者は、万度な塗膜を作る事は難しくなってしまいます。
採用する塗料を勝手に安価な塗料に変える
原価を少しでも抑えるために、約束した塗料を使わず安価な塗料に変えて施工してしまう業者がいるようです。
よくある塗料に対する手抜きといえば、1ランク下の同じ色の塗料を使って材料費を浮かせるやり方です。
違う塗料を使っても、仕上がり状態では材料の差はお客様には分かりません。
それを利用し、安価な塗料を勝手に採用するという非常識な手抜きのやり方です。
洗浄を行わない
外壁に付いたゴミや汚れなどを事前に綺麗に取り除く事で塗膜の密着度を高めて高い精度の塗膜を作る事が出来ます。
その為、外壁の塗り替えの際は高圧洗浄等によりしっかりと洗浄する事が鉄則です。
しかし、丁寧に外壁洗浄を行おうとすると1日程度かかってしまい、とても大きな手間となってしまいます。
適当に洗浄作業をしたり行わず省略してしまい、汚れが付着したままで塗装工程を行ってしまうケースも少なくないようです。
ケレン(サビ、既存塗膜の除去)を怠る・下地処理をしない
下地処理とは、外壁素材の表面を綺麗に清掃したり滑らかにする事で、塗装自体が乗りやすい状態とする事です。
この処理に手抜きがあると後の剥がれの原因になります。
ヒビ割れや凹凸の補修を手抜きすると、劣化の原因になりかねません。
大きなヒビ割れなどでない場合には、下地は塗料で隠れてしまうため、表面上には見えないこともあります。
手抜きをしようとする職人さんは、「どうせバレないだろう」という前提で下地処理の手を抜いてしまう事もあるようです。
薄く塗料を塗布する
塗料は各塗料により塗布する量が決まっており、既定の塗布量をキープする事で適切な塗膜の厚みを作る事が出来ます。
使用する塗料を減らす事で材料費や人件費を減らす事が出来る関係上、規定よりも薄く塗布する職人さんが居るようです。
薄く塗布してしまうと薄い塗膜しか出来上がりませんので、本来その塗料が発揮できる効果を得る事が出来なくなってしまいます。
乾燥時間を守らない
各塗料により乾燥時間が違ってくるので、記載ある乾燥時間以上に放置をしてしっかり乾燥した後に、
次の塗装工程に移らなければいけません。
ですが、乾燥時間を守ろうとすると時間もかかってしまい、余計な手間がかかってしまう関係上、
適度に乾燥した状態で次の工程に移ってしまう職人さんもいるようです。
乾燥が不十分なまま、重ね塗りをすることで、乾燥しきっていない塗膜に不具合が起きてしまい、膨れやヒビ、剥がれの原因となってしまいます。
塗装工程の回数を勝手に減らす
塗装工程というのは、各塗料により回数に決まりがあります。
ほとんどの場合、下塗り1回、塗装工程(中塗り及び上塗り)が2回の合計3回塗りとなります。
塗装工程の回数を増やす事で材料も手間もかかってしまいますので、塗装回数を減らし利益を上げようと考えてしまう職人さんもいるようです。
塗装回数より減らして塗装工程を行ってしまうと、塗膜が薄くなってしまうので、短期間で劣化する塗膜となってしまいます。
雨が降ったり悪天候であっても工事を続行する
塗装工事は降雨時に作業をしてはいけなく、また湿度85%以上の場合も塗装工事を止めなければいけない決め事があります。
足場を組み立てたり、高圧洗浄作業など、雨が降っていても可能な工程はありますが、塗装関係の工事は中断します。
しかし、急いで塗装工事を行いたいがために、多少雨が降っても湿度が高くても外壁塗装工事を続ける職人さんが居るようです。
塗料や塗布する素材に雨が当たって無ければ良いだろうと思う職人さんも居るようですが、
余計な水分が含んでしまう事で塗膜の精度や付着力を弱めてしまいますので、万度な塗膜とはなりません。